在宅自己注射について
自己注射とは、排卵を促すための排卵誘発剤をご自身で打っていただく注射のことです。特に、排卵障害(月経不順)の方は、体外受精のための採卵時にこの自己注射をご自宅で行っていただきます。
自己注射と聞くと「怖い」「痛い」「難しい」と言った不安を感じられる方も少なくありません。もちろん、自分に注射針を刺すことがどうしてもできないという患者様には通院していただくことで医師による注射を選択していただくことももちろん可能です。
メリットについて
- 通院にかかる時間や交通費が減ります
- 自分の生活ペースを守れます
- 仕事や家事への影響が軽減できます
- 空いた時間を趣味など有効に使えます
- 大事な予定や仕事のスケジュールを通院のために調整しなくて済みます
- お子さん連れての大変な通院も、回数が減ることで少しは楽になります
方法について
- 自己注射教室で指導を受けていただき、手技に問題ないと判断された方のみが、対象となります
期待される効果について
- 正しく注射すれば、自己注射は通院の注射と同様の効果が証明されています
- 「卵巣過剰刺激症候群」などの副作用の発生にも大差ないことがわかっています
- 通院の回数が3分の1程度に減らすことができます(ただし、通院スケジュールは個人により異なります)
「在宅自己注射」 Q&A
自分で打つと痛いのでは
注射は「皮下注射」で脂肪の多い部位(太もも・お腹)の注射するため、「筋肉注射」よりは痛みを感じない、少ない方が多いです。
- 痛くない、怖くない工夫:針は極力細いタイプを選択します(「針を刺す不安」が強い方は、ご主人でも可能です)
注射を打つ時間はきまっているのか
- 都合の良い時間を設定できるものと、決められた時間に行わなければいけないものがあります
- 注射をする時間を設定できる薬剤に関しては、負担の少ない時間帯を選びましょう
飲み合わせの悪い薬はあるか
- 薬服用(使用)中は、必ず医師や薬剤師にご相談ください
注射を忘れた時はどうしましょう
- 予定時間から12時間以内の場合は、気づいた時点で打ちます
- 決められた時間に注射が必要な薬剤に関しては、医師に対応を確認しましょう
うまく注射できないと効果が薄れてしまう気がする
- 手順を守って自己注射すれば、効果に問題はありません
薬剤の保管で気を付けることは
- 注射器、針:ほこりや汚れのつかない、濡れない場所に保管し、使用後は専用容器に廃棄
- カートリッジタイプ:冷所保管ですが、凍らないように注意しましょう
- 小さなお子様がいる場合は手の届かない安全な場所に保管しましょう
- 受診の際に、使用後の注射器・針はご持参下さい。家庭ごみでの処理はできません