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私たちが連携し、最短ルートで妊娠へつなげます

(右)近藤 宣幸 先生 泌尿器科 専門分野:男性不妊症/男性性機能障害/男性不妊症手術
(左)小西 博巳 センター長 産婦人科 専門分野:女性不妊症/子宮鏡・腹腔鏡下手術/遺伝関連

――ARTセンターの強みを教えていただけますか

女性不妊と男性不妊の治療が同時に行える医療体制

小西先生/
第二協立病院 ART(生殖補助医療)センターでは、タイミング療法などの一般不妊治療をはじめ、高度な生殖補助医療の一環である体外受精や顕微授精、男性の不妊治療、手術まで、一貫して治療することが可能です。これは、保険診療で承認された治療法を、夫婦が同じ施設で受けることができることを意味します。

このことが重要なのは、まず保険診療で認められた治療法は、国が有効性を認めた治療法であり、それをすべて受けることができること。そして現在、男性不妊を専門に扱う医師が常勤していたり、女性不妊に特化した手術を行う医師が同じ施設にいることは非常に稀であるため、当ARTセンターのこのような特徴が重要視されているのです。

近藤先生/
治療の選択肢を多く持っているということは、患者さまの体や心、状況など、それぞれに合わせた治療を選択することができることでもあります。
小西先生/
そして何より一番の特徴としては、男性不妊と女性不妊の連携ができていることですね。それを生かして、手術やさまざまな対応ができるところが強みです。

近藤先生/
不妊クリニックは多いですが、男性担当医と女性担当医がほぼ毎日同時に顔を合わせて仕事をしているところは少ないと思います。できるかぎり密にコラボレーションして、治療期間のロスをなくしたいと思っています。男女のカルテを常に見られるようにし、「今は男性側の治療がGoで女性側がWait。次は、男性側がWaitで女性側がGo」。そのように、リアルタイムな流れを小西先生と共有していきます。

小西先生/
医師同士もですが、培養士も含めスタッフ同士、それぞれの専門分野を生かしながらコミュニケーションを取りチームで進めていきたいと思っています。

近藤先生/
男性不妊の特徴は、元気な受精能力のある精子を女性の体内に送り込むのが目標。
1年子どもができないケースで女性側に原因がなく男性側に原因がある場合、男性不妊と定義されます。実は、全体の45%~50%弱、男性側に少なくとも原因があります。そのくらい多いのです。とくに治療の意義があるのは精索静脈瘤と無精子症です。男性ホルモンが低いと精子が少なくなるのでチェックをします。まれに、下垂体ホルモンの注射だけで、全くいなかった精子がどんどん出てきて、それ以上の治療も手術も必要なく、妊娠にいたる場合があります。治療しなければならない患者を見逃さないことが大事です。

小西先生/
治療ももちろんですが、1日でも早く赤ちゃんを授かりたいのに、どれだけ頑張っても妊娠しない。何が正しくて、何が間違っているのか。そう思い悩み続けている、そのような思いを抱えているご夫婦をたくさん治療してきました。そういった心のケアもARTセンターの整っている体制の一つです。近藤先生、これは女性に限ったことではないですよね?

近藤先生/
不妊は、男性の方がセンシティブになる人が多く、治療のスケジュールを合わせることなどもプレッシャーとなり続発性のうつや続発性EDになる男性もいます。だからこそ、今まで私が培ってきた方法で、できるかぎりサポートしたいなと思います。元気な精子がたくさんいるのに、夫婦生活がうまくいかないのはもったいないですから、そういう方には薬を飲むことだけで痛みもなく治療ができます。

小西先生/
あとは立地も便利だと思います。最寄りは「阪急川西能勢口」駅と「JR川西池田」駅になり、施設内に第二協立病院の立体駐車場もあるので車で来ることもできます。川西市だけでなく、宝塚市、箕面市、池田市、豊中市からも治療に通われる方がいます。

医療センターとの連携により、治療から出産後までトータルでサポート

小西先生/
当ARTセンターは、川西市立総合医療センターと連携できていることも強みです。妊娠後、年齢を重ねてほかの病気になった場合も含めて、情報共有ができているので、その点は安心できますよね。

たとえば、子宮内膜症でチョコレート嚢腫が卵巣にできる疾患があり、妊娠するまでの治療と出産した後の治療もトータル的に10年、20年のスパンで治療方針を考えなければいけないのですが、複数の病院を点々とせず治療ができるので、長期にわたって経過をみる方には強みだと思います。

近藤先生/
男性に関しては、精液所見が悪い人は、一種の生活習慣病のような意味合いの報告がされ始めています。精液に問題がない人に比べると、ほかに合併症がある人は多いというエビデンスもあります。不妊治療をきっかけに、男性としての一生の健康に関わる部分を、できるだけアシストしていきたいと思います。

手術が必要な場合は、不妊治療の担当医師自らが執刀

小西先生/
たとえば、癌の人なら癌の専門の先生に手術してほしい。帝王切開なら産科の専門の先生に手術をしてほしい。不妊の手術は不妊の専門医にしてほしい。しかし、不妊を専門とする医師が不妊治療をしながら手術もするケースは少ないのが現状です。
その点、私は生殖専門医と腹腔鏡の技術認定医と子宮鏡の技術認定医を持っていますので、この施設の強みと言えると思います。

近藤先生/
男性の手術は私がします。精巣内精子を採取する手術や精索静脈瘤、パイプカットの修復の手術です。全身麻酔で長時間かかるものは、医療センターで泌尿器科の他の先生と一緒に手術します。

高度生殖医療と最先端の培養技術

小西先生/
不妊治療をする上で必要な専門的な施設やバイオ環境もそろっているので、さまざまな期待に応えることができると思います。最先端の機器、先進の生殖補助医療技術によって、さらなる不妊治療効果の向上が実現します。最新の知識を習得した専門チームがそろっていることも強みです。

しっかりしたカウンセリング体制により心理面もサポート

小西先生/
また、医療法人協和会という大きな母体があるARTセンターならではの強みとして、通常手薄になりがちなカウンセリングにも力を入れることができます。不妊治療はとてもつらい治療になりますが、当ARTセンターでは、看護師と培養士がカウンセリングを行います。カウンセリングの免許を持っている看護師もいますので、心理面もサポートしていきます。こういったサポートを手厚く丁寧にできることも私たちのつよみです。

――意気込みや思いをお聞かせください

カップルでの来院をお待ちしています!

小西先生/
タイミング治療ですぐできる人もいれば、ステップアップをしていかないといけない方もいます。不妊治療はつらい思いをされて、お金もかかってしまうこともあるので、一番伝えたいこととしては、「一人で抱え込まないようにしてください。道はあると思うので、一緒に考えていきましょう。」ということです。患者さんにとっていちばんメリットのある道を考えてあげたいと素直に思います。

早く妊娠することにつなげるため、きちんと検査して治療を進めます。できるだけ最短ルートで妊娠できるよう臨機応変に一人ひとり対応していくことが大事です。

近藤先生/
ベストなクリニックで診療できるのがいちばんいい。そのような中で、できるだけ当ARTセンターが選ばれるようにできたらと思います。
ARTの最終手段が顕微授精(ICSI)で、昔は、それが複数回うまくいかなければ、ようやく男性の検査をするという流れでした。男性に、精索静脈瘤が見つかって手術したら次の顕微授精で成功したという報告が世界中であります。そういうロスがないようにしたいと思います。

小西先生/
だからこそ、ぜひ最初から二人で一緒に受診してください。でも、難しければおひとりで来られても大丈夫です。まずは一歩踏み出すことが大切です。

近藤先生/
もし少しでも興味をお持ちであれば、「赤ちゃん希望相談(無料/予約制)」にお越しください。当相談は医療行為を行うものではありませんが、不妊症や不妊治療についての一般的な疑問に対して、専門医が個室で丁寧に対応いたします。